春うららの昼下がり ちんちん電車でのんびり遠出
北九州市といえは工場と煙突をイメージする方が多いのではないだろうか。飛行場や新幹線駅、港湾、モノレール、高速バス、etcと都市の機能を十分に備えた政令指定都市である。そんな北九州市の西の端を今も "ちんちん電車"が走っている。黒崎駅からベットタウンを縫うように走り直方市に到るまでの16km。40分に満たない区間である。乗務員同士の安全確認のやりとりや、運転手さんの前方確認の合図を間近に見ていると、昭和の頃の懐かしい感覚が甦ってきた。規則正しいリズミカルな揺れに身を委ね、沿線の風景と、肩から斜掛けした鞄が懐かしい車掌さんの気働きに心も春の日差しを浴びたように温かくなった。

この筑豊電気鉄道は昭和26年設立から現在に至っている。この10年間で輸送人員数は915万人から596万人に減少。1区間昭和47年35円だった運賃が190円になった。黒崎駅近くの工業地帯を過ぎると車窓には団地やマンション・住宅街が続く。町並み保存地区「木屋瀬宿」のある木屋瀬駅を過ぎた頃から田園風景が広がり、終点の直方駅に到着する。途中で杖を付いたお年寄りが乗ってきた。車掌さんはステップの段差で手を貸し、乗客に座席を詰めるようお願いをし、手を取ってお年寄りを座らせた。ワンマンカーや都会のパスモ(首都圏の鉄道・バスで利用できる便利なICカード)にはない、"優しい思いやりの心"がそこにはあった。4月は直方のチューリップ祭り、5月には香月の吉祥寺の藤が満開になる。ちんちん電車に揺られて菜の花や蓮華草の花々が広がる車窓を眺めながら、のんびりとした休日を過ごすのも楽しい。

レトロな定期券は今も現役⇒
- 木屋瀬宿
http://www.ktqc01.net/nisi/kycc/koyanoseyado/index.html - 各駅時刻表
http://www.chikutetu.com/0803%20zikoku%20TOP.htm - 営業粁程及び運賃表
http://www.chikutetu.com/untin.pdf
平成20年4月4日
市民特派員: 上津役 幸惠
- カテゴリ
- 市民特派員レポート















